荒武者!

もう十年ぐらい前のことになるのだけれど、某大新聞を定年までつとめた女性記者の方の「ジャーナリスト講座」なるものに参加していたことがあった。
その方のお話のなかで印象に残ったのが、マスコミのなかでは比較的「左より」と思われている新聞社で、いわゆる「社内旅行」(最近は、これすら絶滅の危機にひんしているらしい風習だが)のことを、昔の海軍用語をつかって「全舷」と呼んでいたという話。男が圧倒的な社会で、お酒の入る温泉宿だかなんだかへの集団旅行、ときくだけで、私も頭が痛くなる口だけれど、彼女も、その呼び方とあいまって、やはり積極的に行きたくなるようなものではなかった、と話してくれたように記憶している。

で、気がつくといろんな世界の「隠語」?が日常のなかには紛れ込んでいるもので、仏教の用語だとか、相撲用語だとか。ま、それはともかく、上の例が面白いのは「左より」「平和主義」みたいなものを標榜している人たちが、軍隊用語を使うところなわけですが。いや、ある雑誌のサイトを見ていたら、「言論を武器に時代に切り込む荒武者の意気込みで…」なんて書かれてあったから、へ〜と思ったわけ。別に非難しているわけではありませんよ。念のため。一度だけ合評会に参加させてもらったときのメンバーの顔触れを思い浮かべながら、「なるほどね」と思っただけ。私も書かせていただきましたので、よろしかったらどこかでお手にとってみてください。『リプレーザ』。

さー、私もジャンヌダルクになった気分で仕事しよっかな。