ウクレレを習い始めて10ヶ月がたちました。
父のいない寂しさをまぎらわすために習い始めたウクレレ。いつか施設にいる母にも聞かせてあげたいと思っていました。その夢は思いがけない形でかないました。
父の突然の死のショックもようやくうすれてきたころ、母の病気がわかり、緩和ケア病棟への入院が決まり… 病院はまだコロナのために見舞いができないのですが、ホスピスは例外で1日1時間まで見舞うことがゆるされたのでした。
母の誕生日は五月の初旬で、「母の日」の近く。当日は仕事のために行けませんでしたが、前日ウクレレをもって母の部屋に行き、何曲か弾いてあげることができたのです。いつもとちがう神妙な顔で耳を傾けてくれた母。そのときの曲を弾くと、いまもその情景がよみがえってくるのです。
それから2週間ほどして、母の枕元に一晩つきそった朝、彼女は息を引き取りました。父の死からおよそ400日後のことでした。まずはご報告まで。
