ありがとう

いま、琉球大学では、非常勤講師の大幅な削減とそれに伴う外国語科目のコマ数削減に抗議する学生たちが座り込みをしています。大学で勉強している学生さんも、世間の方たちもよくご存じないと思うけれど、大学の一般教養課程の語学教育は非常勤講師によって支えられているといっても過言ではありません。ほかの科目の先生方と違うことは、私も含め「それだけで食べている」人がいること。しかしながら、何年続けたからと言って常勤になる可能性はありません。(多くの場合、語学教育とは直接かかわりのない分野での業績を作って公募に合格しないかぎり)クラス編成とかカリキュラムについての発言権もなし。だから、今回の問題提起には大きな意味があると思います。琉大でがんばっている学生の皆さん、どうもありがとう。近くにいたら差し入れにいきたいけど、ちょっと無理だからここからエールを送ります。
以下の「占拠声明」を読んでみてください。

 現在、琉球大学では、非常勤講師の大幅な削減とそれに伴う外国語科目のコマ数削減がその根拠や必要性が十分な議論もされないまま、今年の四月から新入生を対象として強行されようとしています。これに対し私たち学生は強い危機感を持ち、二度にわたり琉球大学当局に対話を要求してきました。しかし大学当局は、一度目は文書による拒否、二度目は回答すらせず、学生との話し合いの場を設けないという愚行を重ねました。

 私たちは占拠を実行します。私たちは正義、自由、権利、抵抗を学んできた学生として、大学当局の暴挙に黙することに抵抗します。今回の占拠は、話し合いを絶えず拒む大学当局の姿勢を前にして、どうしても争点と向かい合わなければならない状況を作り出すためのものです。この喫緊の事態において今回の占拠は、もはや新カリキュラムに対する批判を大学当局が無視し続けることができないよう、争点を劇的に盛り上げようとするものです。あらゆることが学生のために行われるべきである大学において、大学が学生の言葉に全く耳を傾けない危機的事態を打破しなければなりません。

 また、今回の事態は、琉球大学の学生と非常勤講師のみの問題に留まりません。この占拠は琉球大学ネオリベラル化とそれに伴う教育の貧困化といった、個別的な状況へのレスポンスとしてはじまりましたが、今回の問題は、大学自治の崩壊、大学の教育放棄、沖縄県の教育の危機、雇用問題といったより広い射程を持つはずです。
 
 以上のような理由から、私たちは琉球大学当局に対して次のように要求します。

(1) 新カリキュラム撤回
(2) (1)に関する公開説明会
(3) 岩政輝男学長、平啓介副学長、新里里春副学長の解任
(4) 学生代表の役員会への参加
(5) 教員、職員、学生による学長及び理事の選挙制度の確立
(6) 占拠に参加したすべての者の権利を保障し、いかなるペナルティをも科さないこと

 この占拠は、知を創造し共有するべきはずの大学が、自ら教育の場を放棄し、教育を貧困化させ、大学のネオリベラル化に猛進する琉球大学当局の暴挙を阻止しようとする抵抗のアクションです。この占拠は、学生への一切の説明もなく、また学生を意思決定の過程に参加させることもなく、決定事項の一言で強行する大学当局に対話の場を開かせる抵抗のアクションです。

 私たち学生は、琉球大学当局が断行しようとする学生の声の黙殺という暴力に抵抗し、大学の自治権を学生の手に取り戻します。

 最後に私たちは、非常勤講師切り捨てと教育の放棄を恥ずかしげもなく謳い上げた新カリキュラムの白紙撤回を心から願い、行動するすべての人々と連帯する意志を表明したいと思います。

 琉球大学、そして全ての大学が「大学」たらんことを願って。

                  2009年3月9日 琉球大学学生有志