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「食と農」の博物館を訪ねる

 ちょっと面白い博物館を訪ねました。
「食と農」の博物館
 東京農大の付属施設で、目印は馬事公苑向かいのでっかいニワトリ(笑)

 展示は、クリオネとか魚とか日本酒とか微生物とかサルとか熱帯植物とかとにかく盛りだくさんなのですが、共通しているのは大学での学生の研究の成果であるということと、それをわかりやすく、おもしろく伝えようと配慮していること。カフェもお土産も充実しています。

 エントランスを入ると目につくのが二階からつりさげられた大きなのぼり。これは、農大育ての親の横井時敬氏が昭和2年になくなったさいに足尾の農民たちがかかげたもの(のレプリカ)だそうです。のぼりには

 敬弔 足尾銅山鉱毒被害民之大恩人 横井時敬先生の霊
 と大書してありました。足尾鉱毒事件の際、横井氏は「自ら現地調査を行い、鉱毒の農作物被害を明らかにし」「論文で政府にも猛省を促し、農民たちを励ました」(新・実学ジャーナル 2003.9 東京農大ものがたり5)のだそうです。当時の「科学者」としては勇気のいることであり、さぞや現地の方たちには感謝されたのだろうな、と思いました。

 ほかにも館内では複数の特別展が開催されていて、『馬を知る』という展示やミニきのこ展なども面白かったのですが、『牛と人の生活史』が大収穫でした。1938年生まれの漫画家・大山錦子さんの描く、牛と人のいる風景。牛の背に乗って嫁入りする花嫁さんの絵や、仔牛検査や家畜市場のこまごまとした描写、かわいらしい仔牛の姿。牡牛から「種」をとるときの騒動。そして… 昔の結婚を描いた漫画には、戦争中の立場の弱かった時代の女性の人生がちょっぴりユーモラスに描かれていました。
 特別展『牛と人の生活史 大山錦子が描く世界』は9月23日まで