どこにもいない

かれはモンスターだろうか? 生まれてきたときは、どこにでもいる小さなかわいい赤ん坊だったにちがいない。

人の命を奪って果てよと自分の子を育てる親は、どこにもいない。少なくともいまの日本の状況では。

昨夜は何度も目がさめた。はかりしれない不安で…

こんな無残な事件が起こるたびに、あたかも容疑者・犯人が「モンスター」であるかのように語るひとたちがいる。罪は憎んでいい。被害にあわれた方たちの無念もいかばかりか、こればかりは当事者でもない私には想像もおよばない。

けれど、モンスターとして生まれる子どもも、どこにもいないということを忘れてはいけないと思う。