ボリビアから世界へ

(たぶん数世代前までは日本人の父母から生まれ)日本で生まれて日本で育ったので、人種差別というものを経験したことがなかったのだが、20をちょっとすぎたころにアルゼンチンへ留学して、自分が肌の色を理由に差別されることがあるのだということを体験した。

たとえば、「人種はまざると美しくなる。知り合いにも日系人との混血の子どもがいて、とってもいけてるんだ」と言った人が同じ口で「でもうちの子には嫌よ」というのを聞いたり。

欧州人と結婚して欧州へ移住する娘が、南米人だといって差別されるのではないか、と心配しているのを励まそうとして、「でもあなたはアジア人ではないし」というのも聞いた。

道を歩いているときにじろじろ見られるのは当たり前だが、圧観だったのは同じ留学生仲間のアフリカ系の男の子と歩いていた時。これはもう遠慮も何もなく穴のあくような視線を感じた。

とはいえ、石を投げられるとかいうことはなく、実害と言えば商店だか役所でちょっと後回しにされるという程度ではあった。そこは移民の多い国ゆえだったのだと思う。たぶん日本で非白人系の人たちが感じるものよりはよほどましだったろう…

そんな国なので、先住民族への差別も容赦はなかった。(いまでは多少改善されているけれども、まだ問題はいろいろある)

しかし考えてみると、ラテンアメリカのほとんどの国では、植民地からの独立はもう100年以上前に完了しているのである。どうして先住民族がそんなにまで差別されなくてはならないのか。それはものすごく簡単にいってしまえば、独立が植民地生まれの白人のためのもので、社会の制度もすべて彼らに有利なものになっていたからだ。

だから、ボリビア先住民族の出身の大統領が誕生したことはとても大きな出来事だったのだと思う。そんなボリビア(いまでは開発主義に走っているという批判もあるけれど)から、環境活動家のパブロ・ソロンさんとマリー・ルーさんが来日され、明日から講演活動をされる。ソロンさんは、元ボリビア多民族国国連大使(2009.1~2011.6)。「水に関わる人権」、「国際マザーアースデー」「自然との調和」などの決議の採択に尽力された。ルーさんはグローバル森林連合のメンバーで、森を守ってきた先住民族、地域のコミュニテイ、女性の権利に重点を置いて調査、教育、キャンペーンなどを展開しているとのこと。

明日26日(木)は15:00~17:00議員会館

27日(金)11:00~12:30上智大学

同日 午後6時半 連合会館

30日(月)午後6時半 同志社大学

31日(火)午後6時半 エルおおさか

というスケジュール。くわしくは下記。市民社会フォーラムの告知

【告知】パブロ・ソロン/マリー・ルー講演会「水への権利」、「マザーアースの権利」(国連決議)ボリビアから世界へ(2017/10/31水@大阪) – 市民社会フォーラム