べつにファンってわけじゃないが、シェイクスピアの奥さんの名前をもらった女優さんの、「書く女」になる話がたまってきたのでままとめ。
これはすごく有名な作品だけど、不本意な場所におかれたヒロインが、上司の仕事への情熱にふれて成長していく物語でもあり、「書く女」になるまでのお話でもある。「悪魔」な編集長がヒロインの味方だとわかるラストが最高でした。
一組の男女の、23年間の同じ日を定点観測するというメロドラマ。ヒロインは、なかなか本当にやりたいことができず、かつ、好きな人とも結ばれずにいてやきもきするのだけれど、ついには念願かなって小説家になり、愛する人と結ばれるというお話。ただし結末は悲しい。
日本だとどのくらい反響があったのだろう? 英語圏では評価の高い作家ジェイン・オースティン(1775-1817)が作家になる前の時代のお話。生涯独身だったオースティンの、秘められた恋が描かれている。随所に、彼女の小説の登場人物をほうふつとさせるキャラクターや逸話がちりばめられていて、オースティンの読者なら楽しめることまちがいなし。
また、この映画をみていると、当時の英国社会では女がものを書くなんてことはトンデモナイことであり、オースティンが匿名で書いていたことをしめすシーンがある。それ以前に、女性には相続の権利がないとか、ほとんど自活できる職業はないとか、そういう時代。ちなみに、当時の英国社会には働かなくても暮らせる方々が多くいらしたらしく、その収入源て… と意地悪な/当然の想像もしたりするのだが。(笑)
『ゲド戦記』の作者で、SF界の大御所ル=グウィンも、デビュー当時(すでに20世紀になってましたが)、あえて女性らしくない表記を選んだという話を聞いたこともあり、書く女が生きづらい世の中というのはそうそう変わらないらしい。
- 作者: アーシュラ・K.ル・グウィン,篠目清美
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1991/06
- メディア: 単行本
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まあ、むつかしい話はおいといて、この三作、どれもそれぞれ魅力のある作品なので、ぜひ。