東京のなかのブラジル

茨城の片田舎からほぼ同時期に都内の大学に進学したことから、長い付き合いが続いている友人と会った。彼女とはよく散歩をするのだが、いつも穴場を教えてもらっている。(デパートの屋上の庭園や、植物園のようなトイレetc.)

この日は珍しく私がガイドとなって、東京のなかのブラジルを探す旅に。

ブラジル料理(除くシュラスコ)を食べてみたいという彼女の希望で、都内中南米料理の草分け的な四谷ロミーナへ。最近はこちらのお店が週に二日ランチを始めたのです。

ランチは4種類、タコスを中心にしたメキシコランチ、フェジョアーダ(豆の煮込みをご飯にかけたもの)とヤシの新芽のサラダのブラジルランチ、ローストチキン、セビッチェ(レモンの効いた魚介のマリネ)ピラフなどの盛り合わせのペルーランチ、とペルーカレー。セルフサービスのハーブティーは飲み放題。

ペルーっぽい柄と色遣いのクロスのかかったテーブルや、壁に貼られたスペイン語のポスター、ラテンアメリカの地図などが旅情をさそう。夜は南米各地の料理が楽しめるコースがあり、お酒もいろいろ取り揃えている。

最近は肉ブームらしく、シュラスコ(ブラジル風BBQ)のお店は増えたけれど、それ以外のブラジル料理を気楽に食べられるお店といえば、都内だと丸の内のカフェドセントロ(月・水・金は食べ放題ランチ)あたりだろうと個人的に思っています。  

東京を出ると、ブラジル料理を出すお店は横浜市の鶴見方面に数軒あり、南米出身の住民から愛されているらしい。浜松や群馬県大泉など、ブラジル日系人の住民の多い地域は言うまでもない。(ちなみに2015年6月の入国管理局の統計だと、全国で17万人程度のブラジル人が日本に在住していて、群馬、愛知、静岡、三重、神奈川などに集中)

近況を語り合いながらランチを食べた後は、四谷~市ヶ谷方面に歩いてセルバンテス文化センターを訪ね(ブラジルではなく、スペイン語圏アメリカつながり)、九段へ抜けてそこから神保町へ。神保町にはその名も伯剌西爾(ブラジル)という喫茶店があるのです。いまどき珍しく「喫茶店」という言葉が似合うレトロな雰囲気(喫煙席もある)で、がたつく木のテーブルも懐かしさを誘う。ブラジルやペルーの豆を使ったストレートコーヒーを飲んだら、農文協・農業書センターへでも行って世界の料理本を探しましょうか。(つづく?)

(残念ながら、ロミーナはもう閉店してしまったようです)

カフェ・ド・セントロ丸の内店

http://www.cafedocentro.com/