不平等について

 2011年に出た原書が、昨年11月にはもう日本語訳されていました。国家内の不平等にとどまらず、世界の国家間の不平等、世界の市民の不平等まで視野を広げてくれる良書です。著者は世界銀行の研究部門のリードエコノミストであるブランコ・ミラノヴィッチ。日本国内での格差も痛ましいものになってきているこの頃ですが、視点を変えて、世界を、歴史を軸に加えるとどう見えてくるのか。この不平等に満ちた世界のなかで、どう生きていけばいいんだろう、といろいろ考えさせられます。

不平等について―― 経済学と統計が語る26の話