バルデラーマ

とうとう観ました。『チェ 39歳別れの手紙』。淡々とボリビア山中でのゲリラ戦が映し出されます。緑がすごくきれいだった…

映画そのものの感想は… すごくよくできた再現ドラマ。米国の介入などこの映画で初めて知る人もいるかもしれないけど、それだけがゲバラたちの敗因とはいえないだろうし、ゲバラたちを裏切った人びとの背景などももっと感じさせてくれる内容だったら、と残念に思う。当然のことながら、ゲバラはとても魅力的に描かれているし、全体的な印象は悪くないけれど、映画としての魅力はあまり感じない。注:この段落、朝から何度も書き直してます。むつかしい。
と、まあひねくれたことを言っておいてなんですが、最後に流れるサンバ(ブラジルのサンバとはちがいます。アルゼンチンの舞曲の形式の一種。ゆったりとしているのでロマンティックな歌謡曲にもしばしば使われる)がすばらしい。やっぱりラ・ネグラは人類の宝。いまではもう手に入らないようですが、ラ・ネグラことメルセデス・ソーサの1972年の『勝利のときまで Hasta la victoria』(フィリップス)はあからさまにゲバラやチリの人民連合へのシンパシーを表したアルバム。これではアルゼンチンにいられなくなるわけだ…

参考までに収録曲のタイトルを。
A1 バルデラーマ、2 フアンシート・カミナドール、3 時の中に、4 砂地のクエッカ、5 木づくりの鐘、6 勝利のときまで
B1 ロス・エルマーノス(兄弟たち)、2 耕す者への祈り、3 べーチョのバイオリン、4 ラ・ポブレシータ(貧しいサンバ)、5 都会をよぎって、6 生命の歌(解説、訳詞 濱田滋郎)※日本では1977年に発売