じぇんだー

読んでから観るか、観てから読むか

まったく外へ出られないわけではないが、とくに行くところもない子どもの、数年間の引きこもりの時代には、歩いて10数分のレンタルショップに親子でDVDを借りに行くのが習慣と化していた。だいたい2対1の比率で、子どもの観たいものと、私の観たいものを借…

ラステシスの歌詞を訳してみた(2020年2月19日訳文を改訂)

10月18日から60日近く、大統領の辞任、少なすぎる年金の改革、軍政時代に作られた憲法の改正などをもとめる「尊厳運動」がつづくチリで、今年の女性への暴力根絶国際デー(11/25)に初めて路上で演じられたLastesisのパフォーマンス"Un violador en tu camin…

ハナカイドウの下で

鎌倉・円覚寺へ行きました。目的はお墓詣り。 作家の中里恒子(1909-1987)さんのお墓です。ピンク色の花が一輪挿しでお供えされており、彼女のお人柄をしのばされました。 生きた人間のわがままさで、花盛りのハナカイドウの木の下、心の中で中里さんとお話…

ケチュア語ラップ「はさみ」

Renata Flores - Trap + Quechua - Tijeras ft. Kayfex 南米エクアドルからアルゼンチン北部まで広い地域で話されている先住民言語ケチュア語のラップ。タイトルは「Tijeras はさみ」。ペルーの男性優位主義(マチスモ)を批判し、女性たちに「Warmikuna… qu…

オフィシャル・ストーリー

La historia oficial - Trailer 1985年のアルゼンチン映画で、アカデミー賞の外国語映画優秀賞に選ばれています。1983年までつづいたアルゼンチンの軍政下で、そのために人生を狂わされたひとたちの真実を求める勇気ある行動を描いた映画です。(日本語字幕…

映画メルセデス・ソーサ ラテンアメリカの声

Mercedes Sosa: La Voz de Latinoamerica (International Trailer Esp -subtitulado-) 映画「ラテンアメリカの声ーメルセデス・ソーサ」 ひとり息子のファビアン・マトゥス氏が、ソーサとゆかりのある人たち(家族、友人、共演したアーティストなど)を訪ね…

それでも私は歌いつづけた

アルゼンチンを代表する女性歌手メルセデス・ソーサ(1935-2009)のCD「それでも私は歌いつづけたー検閲歌と未収録曲集」 Y Segui Cantando: Canciones Censuradas E Ineditas アーティスト: Mercedes Sosa 出版社/メーカー: Universal Import 発売日: 2011/…

もうすぐ開催。宇野千代展

いよいよ来週から 宇野千代展@神奈川近代文学館 www.kanabun.or.jp とっても楽しみ。 昭和11年にファッション雑誌を創刊したという宇野千代さん。実際にお会いしたことのない私でも、お年を召してからの着物姿が印象に残っているけど、上記のサイト掲載のお…

美しい「女」たち

『リリーのすべて』という映画を観て考えさせられた。実在したデンマークの”女性”とその妻が主役の映画。20世紀初頭、ひょんなことから女装して妻の絵のモデルをつとめた夫が、もともと心に秘めていた女性として生きたいという願望を発見し、性転換手術を受…

ダコタ・アクセス・パイプラインに反対する女性たち

[http://] ウィスコンシン出身の映像作家シャノン・クリングさんが撮影中の映画”End of the line" 9月15日のブログに書いたエクアドルの女性も連帯してスタンディング・ロックのキャンプ地を訪問していたけれど、今年の4月からキャンプをはってパイプライン…

アン・ハサウェイの「書く女」3作

べつにファンってわけじゃないが、シェイクスピアの奥さんの名前をもらった女優さんの、「書く女」になる話がたまってきたのでままとめ。 これはすごく有名な作品だけど、不本意な場所におかれたヒロインが、上司の仕事への情熱にふれて成長していく物語でも…

鏡のなかのボードレール

ボードレールの詩は、たぶん翻訳でもほとんど読んだことがないと思う。フランス文学は、ほとんど読まない。それなのに、この本を手に取ったのは、「黒い女たちの影とともにたどった旅の記録」という惹句に心ひかれたためだ。私自身、ラ・ネグラ(黒い女)と…

沖縄の女たち

先日のうるま市の女性の殺害事件にあたっての、沖縄の16団体の記者会見の写真をみていて思い出したのがこの本。写真のなかに、口をへの字に曲げた著者の方がうつっていたから。 この本が作られた(直接の)契機になったのは、1995年の米兵の少女への暴力事件…

桜の季節に

宇野千代(1897~1996)という名前を初めて知ったのは、毎日新聞に「生きていく私」が連載され始めたときのことだ。「こんなひと(女)がこの国にいたのか!?」という驚きはいまでも忘れられない。 ごくおおざっぱにまとめると、17歳で小学校の代用教員とし…

夏の記憶

小学生のころの夏休みというと、母に連れられていった海辺の記憶がよみがえってくる。そのころ住んでいた東京の下町と山の手のせっするあたりの公民館の企画で知り合った仲間と読書会をしていた母は、末っ子の私を連れて毎年東京近辺の海辺の民宿で行われる…

私が歩けばあそこに到達する

環境汚染が原因の病気のひとつである水俣病(有機水銀中毒)は、日本(熊本、新潟)だけに特有なわけではない。かつてカナダにも化学会社による有機水銀中毒の事例があった。その被害にあったのはふたつのインディアン(先住民)の居留地の人々だった。水俣…

女の知恵の輪.net

いやいや、東京にもありました。WANが全国ネットだとすれば、東京近郊のひとにはこちらも重宝するかと… こちらで紹介されているイベント、面白そうなものが多いのですが、実際にはなかなか足を運べません。でも、そういうことを考えているひとがいるというこ…

ウィメンズ・アクション・ネットワーク

楽しみにしていたサイトがいよいよオープン。ニュース、実用的な情報(各地の相談先とか)のほか、書評にマンガ『バケツでごはん』が取りあげられていたり、フリーターの定義に既婚女性が入っていないふしぎについて書かれたよみもの「なぜ女の労働はみえな…

経験から学ぶために

ブログ上でこんなことを言うのも矛盾した話だが、私はインターネット上(のみ)でのコミュニケーションがあまり好きではない。以前、某SNSのフェミニズム系のコミュニティでの議論を見ていてがっかりしたのは、その人が生きてきた経験よりも、どれだけ上手に…

格差社会に女性が挑む

仕事の帰りに電車が止まって、書店で立ち読みしたロスジェネ第二号の堤未果×増山麗奈の対談が面白かった。題して「大転換時代に女たちが挑むー格差社会と妻・母親・表現者の生き方」。母親・表現者というのはよくある組み合わせだが、それに「妻」が加わると…

マンマ・ミーア

第二部上映が始まった『チェ』を素通りして『マンマ・ミーア』へ。ギリシャの小島で、明日結婚する娘がいるシングルマザーのダナのところへ三人のかつての恋人がやってくる。そのうちの誰か一人が娘の父親のはずなのだが… という楽しげなミュージカル映画。 …