『ローマ』イオンシネマで上映

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周囲で評判になっていて、Netflixでしか公開されないのかと悔しく思っていましたが、9日(土)から全国のイオンシネマで公開だそうです。さすが、アカデミー賞の威力はすごい。アルフォンソ・クアロン(スペイン語の発音になるべく近く表記するとこうなる)は『ゼロ・グラビティ』、ハリポタシリーズ第3作の監督もつとめるなど、国外でも知られたメキシコの監督。ローマはイタリアの首都ではなく、メキシコシティの街区の名称です。

以下は、映画.comの解説から

政治的混乱に揺れる1970年代メキシコを舞台に、とある中産階級の家庭に訪れる激動の1年を、若い家政婦の視点から描いたNetflix配信のヒューマンドラマ。キュアロン監督が脚本・撮影も手がけ、自身の幼少期の体験を交えながら、心揺さぶる家族の愛の物語を美しいモノクロ映像で紡ぎ出した。70年代初頭のメキシコシティ。医者の夫アントニオと妻ソフィア、彼らの4人の子どもたちと祖母が暮らす中産階級の家で家政婦として働く若い女クレオは、子どもたちの世話や家事に追われる日々を送っていた。そんな中、クレオは同僚の恋人の従兄弟である青年フェルミンと恋に落ちる。一方、アントニオは長期の海外出張へ行くことになり……。2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で、最高賞にあたる金獅子賞を受賞。第91回アカデミー賞でも作品賞を含む同年度最多タイの10部門でノミネートされ、外国語映画賞、監督賞、撮影賞を受賞した。

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1992年にノーベル平和賞を受賞したグアテマラのキチェ人人権活動家で最近はビジネスも手がけるというリゴベルタ・メンチュさんが、若いころ家事手伝いとして働いたときの苦労を伝記の中で語っていましたが

私の名はリゴベルタ・メンチュウ―マヤ=キチェ族インディオ女性の記録

貧しい層、または先住民族の女性の仕事先として、住込みのお手伝いさんというのはラテンアメリカではポピュラーなもの。アルゼンチンでも近隣の国や北部などから来て、住み込み(または通い)で家事労働をする女性たちが今もいるはずです。人件費が”安い”ので、子どもを抱えつつ仕事をする女性や家事が苦手な中産階級より上の女性たちにとっては助かっていることでしょう。一方で雇われる女性たちにとっては、労働条件があいまいだったり、定年後(!)の保障が不十分だったり、外からは見えない家庭という場での雇い主の暴力にさらされたり…といったマイナス面もあるようです。

おそらくクアロン監督の家にもそういう「お手伝いさん」がいたのでしょう。そんな子ども時代へのノスタルジーを感じさせる作品だった、と観た方から聞いています。

まずは自分の眼で確かめないと、ということで映画館に駆けつけたいと思います。