神奈川近代文学館で開催中の宇野千代展関連イベント、尾形明子さんの講演「しなやかな抵抗の人・宇野千代の文学」を聴いてきた。
おそらく上記の本に詳しく書いてあるのだろうと思うが、「生きていく私」などを通して自身が作り上げた宇野千代像と、初期の作品とのずれなど興味深いお話だった。
小説「おはん」や「色ざんげ」など、たくさんの作品を残した宇野千代だけれど、恋多き女、着物デザイナーや実業家としてのセルフイメージの演出にも成功したひとなのだなあと感じた。
展示については、原稿のほか、彼女が実際に使っていた信玄袋(かなり大きなものだった)、本人がデザインした米寿の祝いで身に着けた振袖と、100歳のお祝いのために用意していた振袖の実物が印象的だった。展示は7月17日まで。
みなとみらい線の駅のあるアメリカ山公園も、港の見える丘公園もバラやアジサイ、その他の花々でいっぱいで、頭も心もいやされた時間だった。
神奈川つながりで、宇野千代とも親交のあった中里恒子との往復書簡集。おすすめ。