クリスマスのご馳走

 イエス・キリストの誕生日が12月25日に決められたのは、西暦325年ニカイアの宗教会議でのことだそうだ。『図説ヨーロッパの祭』(河出書房新社、1998)プロローグから

キリスト教はこのときペルシャ起源でローマその他にひろまった太陽神ミトラの冬至祭(十二月二十五日)とローマの農民の農耕神サトルナーリアの祭をとりいれた。さらに六世紀から十二世紀にかけキリスト教に徐々に改宗した北欧では一年を通じて最大の祖霊祭である冬至祭ユール(十二月二十四日)がキリスト教のクリスマスと合体した。[中略] 聖夜に思い切り食べ、飲むことは新たに迎える年にとり魔術的な効果がある。ケーキにも特別な祝福の力がひそんでいるとされた。……(前掲書5ページ、谷口幸男)

 というわけで、ゆず湯に入るごとく、かぼちゃを食べるごとく?ささやかなお祝いの食事を用意した昨晩、ふと手元にあった『水の世界地図』(クラーク、キング編 沖大幹監訳。2006年 丸善)をめくってみた。見開きページにカラーで世界地図が描かれ、テーマごとに国々を色分けしている。「食料のための水」というページ(28-29)からわかったことは、農業用水使用量と食糧1kgの生産に最低限必要な水量、そして栄養不足の人々の存在。

 それぞれの食糧1kgを生産するのに必要な水の量は、ジャガイモ500リットル、小麦900リットル、モロコシ1100リットル、大豆1650リットル、米1900リットル、鶏肉3500リットル、牛肉15000リットルだそうだ。

 アフリカ大陸、ユーラシア大陸に点々とうかぶ栄養不足の人口が35パーセント以上の国を示すグレーのマークを見ながら、これからつづく飽食の数日間をどうすごそうか迷っている。

水の世界地図

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