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サークルには中心がない

ドラム・サークルというものに参加してみた。60年代にヒッピー文化の中から生まれ、現在でもアメリカ(NY)では日曜日の公園などで見られるし、日本でもさまざまな社会運動の場面で実践されているというが、参加者が全員打楽器を手にして、思い思いに叩く。指揮をしたり指示するような「中心」的存在はいない。そして輪をつくり、お互いの音に耳を傾けながらひとつの音楽を作っていく。

たしかに打楽器というのは、メロディーを作るのに訓練の必要な弦楽器や管楽器と違い、誰でも参加できそう。「できそう」と書いたのは、多少修練の必要な楽器もあるように見受けられたから。ばちが二本以上になると、素養のない人間にはちょっと厳しいかな…

アルゼンチンの北西部で現在も歌われているcanto con cajaを思い出した。カハ(caja)は本来「箱」を意味するスペイン語だが、実際は二枚の革をはり合わせた片手に下げられるほどの大きさの太鼓。これに金属線を張ると音がよりいっそう複雑になるのだけれど、ばちは一本。この太鼓をもち、輪になって歌われる「カーハのうた」は、子どもから年寄りまでだれでも参加できる。まさしく元祖ドラム・サークル。

現在、このドラム・サークルの場面が登場する映画『扉をたたく人』が公開中とのこと。映画も面白そうだけれど、自分で叩く方がだんぜん楽しい、かも。