年賀状

年々簡略化していく方向にある我が家でも、律儀に年賀状をくださる方はあるもので、数十枚のハガキが今年も届いた。かれこれ五年、いや十年以上会っていないようなかつての同級生からいただく賀状にも、そろそろ子どもの受験や介護といった単語が目につくようになってきて、年を取ったものだと感じる。

20歳のころは、誰でも年をとるものだということが実感できなかったけれど、いまはよくわかる。成長していく子どもを目の当たりにすると、その速さには溜息がでる。子どもは日々経験するあらゆることから何かを学び取っていく。だから、思うのは、小さな子どもに恐ろしいものを見せてはいけないということ。恐ろしい景色はその子たちの脳裏にやきついて、彼らが成長したときなんらかの形で社会に影響をおよぼすことになる。私たちの生活や考え方にも、いつかの戦争がなにがしかの影を落としていないとはいいきれないのだから。