用の美?

二部治身(にべ はるみ)さんという挿花家、ナチュラリストがいる。このあいだ図書館で、野草を挿した写真集『百の緑 千の草花』asin:4579204093に目をひかれた。

彼女のさす花はちょっと変わっていて、観賞用に栽培されたものばかりじゃなく、道端の雑草 カラスノエンドウとかイヌノフグリエノコログサ、そのほか名前を忘れたけどイネ科の草いろいろ。また、それらを挿す器も、ちゃんとした花器ばかりではなく家にある面白い形のガラス瓶(空きびん)などを使ったりもするのだそうだ。リサイクル? たしかにジャムの空きびんにアルミフォイルを巻いたりして使ったことは私もあるけど、それは花瓶がないときの応急処置だし、あえてびんのフォルムにこだわる発想はなかった。

で、さっそく洗面台に放置してあった、かなりレトロなデザインの椿油のボトルをきれいにして、近所の花屋で買ったスプレー菊を花のところだけ挿してみました。洗面台の鏡の前におくと、びんのなかの茎のすがたまでくっきりと見えて、きれい。今朝顔を洗った子どもも、花がちょっとあるだけで全然違うね〜 と歓声を上げていた。

もちろん、二部式を見習って道端に生えている草を摘んできてさしてもいいわけだが、そんな野草には、シンプルでそっけないくらいの器のほうが合うのかもしれない。……無料だし。