隔世の感

それにしても… 世の中変ったんだなあ、としみじみ。『今夜、列車は走る』、授業で学生たちにすすめるつもりだけど、わたしが十八歳のころに日本で見られたラテンアメリカ映画ときたら『オフィシャル・ストーリー』『戒厳令下チリ潜入記』みたいな、直球どまんなかの社会派映画ばかり。スペイン映画にしても、いまより何十倍もとんがってた(というか、時代が追いついたんだろうね、彼に)アルモドバルの『アタメ』とか『バチあたり修道院の最後』…

今日の映画は、ひとことでいうなら「ホームドラマ」。それで全然構わないと思う。ちゃんと一つの世界を描きだせていたし、メッセージもきちんと伝わってくる。第一、だれがみてもわかる内容っていうのは大事なことだ。これがハリウッドで作られた映画だったら、もっともっとたくさんの映画館で上映されるだろう。でも、これ、ヒットしそうだよ。