寒に責みらりる

琉球には8・8・8・6の三十文字からなる短歌が数多くあり、琉歌とよばれ親しまれているそうだ。わたしは初めて沖縄に行った10数年前に、「とびだすな、車は急にとまれない」式の標語が6・8・6の句形で書かれているのをみて、ああ、ここは沖縄なんだなあ、と納得した記憶がある… 標語の内容は忘れてしまったけれど。

ある本で知った、いまから90年近く前の女性が作った歌。

かんに責(し)みらりるさくらぎぬやしが時節(じしつ)なちくれば咲かなうちみ 大意: 寒に責められる櫻木であるが、時節になってきたら咲かないではおかない

夫を失い、子どもを預けて、朝鮮にわたり働いていた沖縄のひとりの女性が、桜の花に寄せてうたったものだそうだ。

少し気が早いけれど、今年の桜はいつ頃開くかな?