サザエさんになった日

最近あちこちで仲間がブログを始め、それを見ているとなんだかうずうずして……また始めてしまいました。

今日は「益子」へ行った話。「ましこ」は陶器の町として有名ですが、栃木県に位置し、東京からおよそ百キロ。東京からはまず小山にでて、そこから水戸線で下館、下館からは真岡鉄道に乗り換えです。だいたい二時間半ぐらい電車に乗るのですが、下館で知人と待ち合わせて益子へ行こうという日、最寄りの駅を目の前にしてお財布を忘れたことに気づいたのでした。絵文字にorzというのがありますが、本当にその場に倒れ伏したい心境でした。しかも知人は携帯を持たないいまどき珍しい人たち。結局、魔法のじゅうたんならぬ新幹線を駆使して待ち合わせには間に合ったのですが、かなり消耗しました。

そうまでして行きたかったのは、民芸運動で中心的役割をはたした陶芸家濱田庄司(陶芸家、1894-1978)が1930年にこの町に仕事場と自宅を構え、いまではそこが益子参考館として公開されているから。参考館には世界各地で濱田氏が蒐集した民芸品が展示されているのだが、その展示物だけではなく、建物(近隣から移築した江戸末期から明治初期にかけての民家)やそれを取り囲む環境そのものが、ひとつの世界を作りあげていました。まだ撮ってきた写真を現像していないのだけれど(いまどきフィルム使って写真を撮ってます、スイマセン)、できあがったら差し支えのない範囲でここにもアップしようと思います。

ことばであれこれ説明するより、実際に足を運んでもらうのが一番だと思いますが、静かな庭にそっとたたずんでいる石の羊とか、何気なく展示物の下に敷かれた布、建物に使われた大谷石の質感などに、五感につよく訴えるものがありました。

ひとつだけこれからお出かけになる方にアドバイス。冬はくれぐれも暖かくしておでかけください。建物の中は、かなり冷えます。